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ホットマンのタオル

Vol.027 | 17.02.27 | ものづくり

国産タオルメーカーが開発した「1秒タオル」に込められた思い

タオルという毎日の生活に密着した商品の自社一貫生産、さらに直営店での販売までを行う国産メーカーのこだわり。




戦後、青梅でいち早くタオル生産に進出する

1951年設立の梅花紡織株式会社(現ホットマン株式会社)の創業は明治元年に遡る。古くから織物業が盛んだった東京の青梅地区で絹織物、夜具地(布団や座布団用の布地)、服地などの生産を続けてきた。当時は織った生地を問屋に納めるまでの仕事だったが、それに飽き足らずお客様が手にする商品に最後まで関わりたい、自社が関わった商品がどのように使われているのかを知りたいという思いが高まっていった。そこで注目したのが「タオル」である。タオルであれば形も限られており、自社で完成品まで仕上げることが出来ると考えると同時に日本でもタオルが広く普及していくだろうと考えた。

1959年にタオル織機を導入する権利を確保(当時は国の管理制)し、1963年よりタオル生産を開始する。当時の業界ではタオルは一番安価な太い糸を使うという常識があったが、あえて高額で上質な細い糸を使い、服地の生産で培ったノウハウを活かして織り上げたホットマンのタオルは高級品として人気を博した。1972年には自社のタオルを販売する直営小売店を六本木にオープンし、お客様に直接商品を届けられるようになった。


ホットマンの直営店

自社一貫体制から生まれた瞬間吸水「1秒タオル」

ホットマンでは企画・デザインから織布、布染め、裁断、縫製、物流・販売まで、自社でタオル作りから販売までを一貫して行うことにこだわっている。お客様に届ける商品に責任を持つためには、全ての工程を自社で管理する必要があるからだ。国内のタオルメーカーでこれを実現しているのはホットマンだけである。

このこだわりから生まれたのが「1秒タオル」である。肌に押し当てるだけで瞬時に水分を吸収してくれる「1秒タオル」は、お風呂上がりに肌をゴシゴシこする必要がなく、肌や髪、乳幼児にも優しい使い心地で大ヒット商品となった。高い吸水性は新しい素材を使っているためかと思いきや、実は普通のタオルと同じ綿100%。しかしその開発に当たっては、ホットマンが長年のタオル作りで培ってきたノウハウが活かされている。同社代表取締役社長の坂本将之氏は「もともと綿は吸水性に優れた素材。そのポテンシャルを引き出すためにできることを全てやりました」と語る。吸水性の評価についても第三者機関である東京都立産業技術研究センターに検査を依頼している。蛍光増白剤、塩素系薬剤、柔軟剤も一切使用していない。経済産業省主催の「The Wonder 500」に選定されるなど、「1秒タオル」は数々の賞に輝いている。


ホットマンのタオル工場

日本製の意義にこだわり、お客様の快適な暮らしに貢献する

万葉集に「多摩川に晒す手作りさらさらに 何ぞこの児のここだかなしき」と歌われているように、青梅の織物業は長い歴史を持つ。ホットマンはタオルの80%が輸入品になってしまった現在も、この地で生産し続けていくことに誇りを持っているが、坂本氏は「日本製イコール良い物」と考えるのは間違っているのではないかと言う。「日本で作れば、こういうことができるから、結果的に良い物になると言えなければ意味がないと思います。ものづくりへの考え方、感覚、感性、美意識も含めた日本産の意義、日本でしかできないタオルとは何かを追求していきたい。その思いで事業を継続していくことが青梅への地域貢献にもなるでしょう」と語る。

現在ホットマンの直営店は全国で73店舗に増え、リピーターも多い。長年ホットマンのタオルを愛用しているファンからの様々な意見は、新しい商品の開発にフィードバックされている。タオルは毎日使わない日はないというくらい私たちの生活に密着した商品。ホットマンはタオルを通じて、お客様の心豊かで快適な暮らしにこれからも貢献し続けていく。


ホットマン本社


ホットマン株式会社 ホームページ
https://hotman.co.jp/
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