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フラッグシップモデル「DS MASTER 1」

Vol.028 | 17.03.06 | ものづくり

世界のオーディオファンが認めた「光カートリッジ」

国内外の大手企業から高い評価を得ている光学技術メーカーが、オーディオ市場の開拓に挑む。※動画は2017年1月ラスベガスでの新製品発表の様子




マイクロソフトも認めた世界クラスの光学技術

1988年創業の株式会社デジタルストリームは光学技術専門の開発会社。同社が開発したDVDやCDのディスク検査用ピックアップは工場でプレスされたディスクが正しく規格を満たしているかどうかを判定するもので、業界のスタンダードとして世界中で使われた。同社はピックアップのコアになっている光学技術を活かし、大手企業からの受託開発にも取り組んできた。マイクロソフトの米国本社からの依頼で、光学マウスやゲーム用ジョイスティックの共同開発に参加したり、中国版ブルーレイ規格とも呼ばれるCBHDの立ち上げに参画したり、その高い技術力は国内外から高い評価を得ることになる。

しかし受託開発は本質的にアップダウンがあり、ひとつの開発プロジェクトが終了すれば、そこで仕事は途絶えてしまう。また関わった製品がデジタルストリームの名前で販売されることもない。いつしか社内には「自社製品を持ちたい」というおもいが高まっていった。


デジタルストリームの「ディスク検査用ピックアップ」

40年前の光カートリッジが最新技術で現代に甦る

デジタルストリームの青柳哲秋氏も自社製品への取り組みを模索する一人だったが、ある時、オーディオ好きの知人宅での「はじめてのレコード体験」で大きな衝撃を受ける。「レコード盤に針を落とし、ハイエンドスピーカーで聴くアナログサウンドは、CDやiPhoneの音しか知らない私にとって、今までにない経験でした」

さらに青柳氏は知人のオーディオシステムに「光カートリッジ」が使われていることを知り、興味を抱いた。光カートリッジはレコード針の動きを光を使って捉えるもので、一般的なMM/MC型カートリッジよりも高音質で再生できる。約40年前に日本メーカー数社から販売されていて、評価も高かったが製造が難しく、いつしか販売終了となってしまった。青柳氏は光カートリッジの原理・技術を改めて研究し、「わが社が持つ最新の光学技術なら、現代に甦らせることができるはず」と考え、開発をスタートさせた。

試行錯誤の末に完成した試作品をオーディオ関連の展示会に持ち込んだ青柳氏。全く相手にされないかと不安だったが、意外にも「あの光カートリッジが復活した」と来場していたファンから興味を持ってもらえ、音質についても好評価を得ることに成功した。


デジタルストリーム本社

海外のオーディオファンも認めた技術力で未来に進む

青柳氏はオーディオブランド「DS Audio」を立ち上げ、光カートリッジの販促に奔走する。業界については素人同然だったが、オーディオ専門店や専門誌に足を運んで情報を得つつ、展示会にも積極的に出展した。40年ぶりに甦った光カートリッジは少しずつ評判となり、販売代理店との契約を結ぶこともできた。海外にも進出し、ドイツのオーディオ専門誌のレビューで絶賛され、歴代最高評価を受けることができた。その評判は逆輸入の形で日本に届き、問い合わせが増えたという。

市場の反応を見極めつつ、ラインアップの拡大も進めているが、青柳氏は「DS Audioを光カートリッジのメーカーで終わらせるつもりはない」と言う。ハイエンドオーディオ市場はニッチではあるが、根強いファンが世界中にいる。手軽さを追求して発展してきたデジタルサウンドに飽き足らず、アナログサウンドの魅力を再発見した若い層も増えつつある。

「そこに向けて、他社がやらないようなユニークな製品を作っていくことがDS Audioの戦略です。デジタルストリームの光学技術なら世界最高の製品を生み出すこともできるはず。5年後、10年後には『DS Audioは、昔は光カートリッジを作っていたそうですね』と言われるくらいに成長したいですね」


DS Audioをプロデュースする青柳哲秋氏


株式会社デジタルストリーム ホームページ
http://digitalstream.co.jp/
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